2010年10月13日:曽蔭権(ドナルド・ツァン)行政長官は、立法会(議会)にて10~11年の施政報告を発表した。今回の施政報告の構成は、「民生問題を最優先」「経済発展の促進」「生活の質の向上」「社会安定」「民主化の促進」の5章から成る。報告全体の半分以上を「民生問題を最優先」の章に割いた。具体的には、貧困層や高齢者に対する生活支援、政府による宅地の供給や住宅購入支援制度の導入、大気汚染対策としてハイブリッドバス買い替えのためのバス会社に対する補助金の導入、中国とのより強固な関係づくりなどが盛り込まれている(香港政府新聞網)。
面白い記事を発見。
『民主化の促進』といいながら中国とのより強固な関係づくりを施政報告で発表しているところがまさに一国二制度だ〜。面白い。
香港政治は現在、イギリス植民地時代の行政府・官僚主導政治から、中国共産党率いる中華人民共和国へ主権移譲、移譲された後の一国二制度(香港行政区基本法)下においての民主化および政党政治への移行期にあり、香港行政区基本法の改正には全人代の批准が必要であり、香港特区内では手続きを完了できない。一国二制度の採用で2047年まで資本主義のシステムをとり続けることとなっている。
これまでも香港は、民主化、直接選挙の促進は行ってきた。
1995年には大胆な議会の民選化を実施した。その背景には、1989年の天安門事件により、中華人民共和国に対する香港住民の不信が大きくなったことや、民主化の流れを作ることで、イギリスの影響力を確保する意図があったといわれる。この政治改革は、中華人民共和国の大きな反感を招いた。
それ以降にも直接選挙および民主化の促進を中国はことごとく否定、抑圧してきた。
○1997年のイギリスから中華人民共和国への返還後、香港の民主制度は一時逆行。
○2005年、香港政府は行政長官の民主度を高める提案を行ったが、完全普通選挙を求める民主派の妥協が得られず、否決。
○2004年の全人代による基本法解釈は、2007年および2008年の普通選挙化を否定した
直接選挙と民主化を求めて、2010年1月には、全面的な直接選挙の実施を求めるため3万人規模のデモが行われた。
(こののデモで掲げられたもうひとつの要求は、昨年12月25日に国家転覆罪に問われ懲役11年の実刑判決を受けた劉暁波の釈放である。)
余談(香港の人は自分の手で政治を動かそうとするバイタリティがすごい。日本人も見習いたいですね。政治への関心。)
香港に直接選挙が実施される日は来るのだろうか。
香港の政治は、中国共産党の一党独裁の下にある中華人民共和国当局からの制約を受けているが、香港の社会は植民地時代から民主主義がないまま、言論や結社の自由を享受してきた。また、香港は中華人民共和国本土経済にとっても、企業の株式上場や資金調達、貿易、投資の中継地として重要である。そのため、中華人民共和国当局が香港の民主主義や自由そのものを否定すれば、諸外国の香港に対する法治や経済制度に対する信頼まで失う恐れがある。さらに香港における民主主義の試みには、中華人民共和国本土での民主化の実験として、近代の中華人民共和国の政治の文脈においても大きな意義があるといえる。
しかし、中国国内における民主主義への弾圧がある限り、昨年ノーベル平和賞受賞を受賞した民主化運動活動家の劉暁波さんに対する実刑判決からみても、中国共産党がこれからも、安易な民主的開放政策をとることはないだろう。
中国共産党と香港政府から目が離せない!!
中国共産党の香港への扱いがよく分かる中国共産党幹部の面白い発言がこちら
→「香港の自治は、香港固有のものではなく、中国共産党が与えたものだ」。
民主化を唱えながら、中国との結びつきの強化を掲げている香港。
一国二制度という世界でも希少な政治体制をとっている地域に住んで、
政治を観察できるというのはとても貴重な体験ですね。
一国二制度面白い。
参考HP :Show china,wikipedia,アジア連帯講座
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