1989年6月4日に発生した第2次天安門事件からまもなく20年を迎える。
昨日、5月31日には香港で民主化を求める大規模なデモが行われた。
デモは「天安門事件を忘れない。民主のバトンをつなごう」をテーマに行われ、
「香港民主主義の父」と呼ばれる李柱銘氏も参加した。
8000人が参加し、中国政府の責任を追及するプラカードを掲げ、抗議の声を上げた。
米国籍となった当時の学生指導者も参加したという。
デモ参加者は91年の約1万人から減少傾向にあるが、
今年は事件から20年の節目でもあり、関心は若干高まっている。
香港大学が毎年実施する調査で、
「事件の再評価を支持」が昨年の49.1%から61.2%に上がった。
20年前の学生たちの民主化運動が、武力で弾圧された痛ましい記憶が色濃く残っている。
中国に返還後、民主化のけん引役を期待されてきた香港だが、
中国政府は香港メディアが報じる天安門事件への批判記事を本土で閲覧できないようにしている。
最近では、行政長官が「中国の発展は香港経済を繁栄させた」として事件の風化をにおわせるなど、デモには直接選挙の実現など香港でも進まない民主化へのいらだちが見え隠れしている。
香港では、かなり民主化されていて日本と変わらないと錯覚していたが、
まだまだ民主化を推進する必要があることを、
昨日の天安門事件デモで教えてくれた。
台湾の馬英九総統は今年、関連イベントには出席しないという。
台湾の民間団体「血脈相連大陸民主運動後援会」は毎年、
天安門事件が起きた6月4日に合わせて記念行事を開く。
20周年にあたる今年は6月3日の夜に開催することが決まり、
馬総統にも参加を求めたが、「海外訪問」を理由に断られたという。
馬総統は昨年まで18年間、毎年欠かさず参加していた。
彼は、中国政府の批判を恐れての行動だと察するが、
台湾の民主のためにも彼は参加すべきだと思う。
当時の共産党が行ったことは、決して許されるべきではなく、
自由と民主主義を求めて立ち上がった学生たちの、
悲劇の記憶を風化させてはいけないと思う。
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